新型コロナの流行や原材料の価格高騰など、昨今の社会的背景の影響から、多くの企業で採用難と人材不足が続いています。今回は中小企業が採用難になる理由と今後の課題について、どのように悩みを解決していくべきかを考えてみたいと思います。

中小企業が採用難になる理由と課題

新型コロナウイルス感染症の流行や原油・原材料価格の度重なる高騰、部材調達難、人材不足など、供給面の制約もある中で、中小企業の採用活動は引き続き厳しい状況です。中小企業の人手不足感は、感染症流行の影響により一時的に弱まったものの、依然として人材確保が困難な環境にあります。中小企業が採用難になる理由と今後の課題について見ていきましょう。

売り手市場

2023年卒の大卒求人倍率は1.58倍、求職者の数よりも企業の求人数の方が多く、売り手市場が続いています。大手企業であっても採用に苦戦しているのが今の現状です。ただし、この1.58倍は企業全体の数値であり、従業員規模で見ると求人倍率に大きな違いが見えてきます。従業員規模が1000人未満だと2.66倍、従業員規模が1000人以上だと0.73倍となり、この統計結果からも分かる通り、中小企業は特に採用難であることが伺えます。

参照)中小企業庁 2022年版 中小企業白書・小規模企業白書
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2022/PDF/2022gaiyou.pdf

参照)リクルートワークス研究所 大卒求人倍率調査(2023年卒)
https://www.works-i.com/research/works-report/2022/220426_kyujin.html

認知度不足

中小企業は大手企業に比べて認知度が不足しています。会社の存在すら知られていないということは魅力を伝える以前の問題です。まずは会社の名前を知ってもらう必要があります。インターネットが普及している現代において、会社の認知度をあげるための手段として、Facebook、Twitter、InstagramなどのSNSを活用した採用活動が増えています。しかしながら、人手不足やノウハウ不足により、手が回らないという中小企業も多くいます。

企業規模に関する不安

中小企業の場合は大手企業に比べて、福利厚生の充実度やスキルアップできる環境、教育の機会などの面において劣ることがあります。企業規模の小さい企業ほど不安を持たれやすい傾向があります。

2023年卒大学生向けの意識調査によると、学生の企業選択のポイントとして、「安定している」が最多で43.9%を占める結果となりました。企業志向としては「絶対に大手企業がよい」8.0%、「やりがいのある仕事であれば中堅・中小企業でもよい」+「中堅・中小企業がよい」47.8%となっています。年々、大手企業へのこだわりが減ってきていることが読み取れます。近年の学生の就職観は、必ずしも大手だからという選び方ではなく、やりがいのある仕事ができる環境を優先する選び方に変わりつつあるようです。

参照)マイナビ 2023年卒大学生就職意識調査
https://career-research.mynavi.jp/wp-content/uploads/2022/04/a958ccfb3f6afa0becd24b078d7ed9e9-1.pdf

採用のノウハウが少ない

中小企業にはそもそも人事課という部署が無い場合があります。人事担当者が居ても人材不足によりワンオペで募集から面接、採用まで行う企業もあります。
中小企業は大手企業に比べて採用活動の経験が少なく、採用のノウハウも持っていないため、十分に魅力が伝えられないという問題が生まれます。このノウハウ不足は企業規模が小さい企業ほど起こりやすい悩みの一つです。

採用難の課題や悩みを解決するコツ

中小企業の採用難の課題や悩みを解決するにはどうすればいいのか、具体的な対応策と今後の行動目標について考えていきましょう。

認知度をあげる

認知度の低い中小企業は、まずは自社の情報を伝える工夫をしてください。企業規模が小さい企業ほど経営者との距離が近いため、特に経営者についての情報は大切です。経営者の魅力で会社を選ぶということも珍しくありません。求職者は経営者の人となりから会社の社風を感じ取ったりもします。経営者の名前、企業の名前を広めて認知度をあげる努力をしましょう。

企業の魅力をつたえる

先にも取り上げたマイナビによる意識調査では、企業を選択する場合に重視するポイントとして、「安定している」が最多で43.9%、次いで「自分のやりたい仕事(職種)ができる」が32.8%、「給料のよい」が19.1%という結果となっています。
その他、「休日、休暇の多い会社」「勤務制度、住宅など福利厚生の良い会社」などが前年比よりも増加していることから、制度面や待遇において安心して働ける環境や、ワークライフバランスに関する関心が高まっていることがわかります。

大手企業でなくとも制度面が充実していて働きやすい中小企業はあります。やりたい仕事ができる、ワークライフバランスを推進している中小企業も多くあります。企業規模の大小に関わらずアピールできるポイントを見つけ出して自社の魅力を伝えることが大切です。

応募を工夫する

中小企業ではただ単に求人情報を掲載しただけでは応募が集まりにくいです。社員からの紹介によるリファラル採用を積極活用したり、人材を紹介した社員に対して別途報酬を用意したりするとさらに効果的な場合もあります。

インターネットを利用した採用求人は定番となっており、新しい採用手法として、SNS上の人材情報によって採用活動を行うSNS採用(ソーシャルリクルーティング)などが活発化しています。中小企業でも手軽に取り入れやすい手法が増えています。近年の採用求人の特徴については、以下の関連記事にも纏めておりますのであわせてご参照ください。

参照)求人の新しい形5選
https://reiwa.careers/ichiran/new-recruitment/

近年の学生の就職観は収入さえあればいいという考えは少なく、より魅力的でやりがいのある仕事ができる企業を選択する傾向にあります。今はまだ知名度が少なく採用難となっている中小企業でも、アピールポイントとなる強みを見つけ、自社の魅力を上手に伝えて応募者の心をつかんでいきたいところです。しかしながら、自社だけでは人手が足りない、そもそものノウハウも持っていないとお悩みを抱えている中小企業は少なくありません。

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