就活の定番質問でもある「ガクチカ」ですが、コロナ禍を機に廃止する企業が増えています。ガクチカが本当にない学生や、なぜガクチカを廃止する企業が増えているのか、その理由と近年の採用活動の変化について考えたいと思います。
コロナで増加「ガクチカがない」学生
ガクチカとは「学生時代に力を入れたこと」を略した言葉です。就活用語として学生の間で定着しています。ガクチカはエントリーシートに記載する箇所があったり、面接で直接聞かれるなど、就活ではよくある定番の質問です。学生側は学生時代に頑張ったことについて、エピソードを交えながら上手く自己PRをすることが重要になります。
ガクチカがないという悩みはこれまでも多く、ガクチカを作ったり、強いエピソードを考えたり、エピソードが他の人と被らないよう、ガクチカの作り方や書き方の例文などのセミナーも開催されたりしていました。就活では定番となっていたガクチカですが、新型コロナの流行をきっかけに自粛生活が始まると、大学に通わずにオンラインでの授業が増え、就活生からガクチカが本当にないという声が急増しました。
ガクチカを廃止する企業
コロナ禍を機に大学に直接通う生活が難しくなった学生に配慮して、ガクチカを廃止する企業が増え始めています。それでは具体的にどんな企業があるのか見てみましょう。
パルコ
商業施設の経営で有名なパルコ(PARCO)は、これまでエントリーシートにガクチカを記入する欄がありましたが、新型コロナの影響で就活生の学生生活が様変わりし、ガクチカだけでは人材の見極めが難しいと判断され、2021年よりガクチカを廃止しています。現在はガクチカの代わりとして、「とっておきの写真」を掲載してもらい、そのエピソードを提出してもらうようになっています。
日立製作所
電機メーカー大手の日立製作所では、2024年度採用計画でガクチカに関する質問を廃止しました。コロナ禍の学生が「ガクチカ」をアピールするのは難しいことから、「プレゼン選考」の提出を導入することに決めたそうです。
例えば入社後にその職種でどのような課題に取り組みたいかをプレゼンするもので、学生の課題発見力や問題解決力の能力を見たり、希望職種とのマッチングを図る内容になっています。従来よりも職務遂行能力を積極的に評価する選考にシフトしており、学生側は今後のキャリア志向をいかにアピール出来るかが重要になっています。
ガクチカの廃止が増加?
ガクチカで話される定番と言えば、部活を頑張った、サークルやゼミを頑張った、アルバイトを頑張ったなど、似たような回答が増えてしまうのは仕方がないことです。加えて、在学中にコロナ禍を経験した世代の採用となると、学生生活に制限のある中でガクチカエピソードを見つけるのは非常に困難になっていました。ガクチカが本当にない学生に、質問しても有効な回答は得られづらくなります。コロナ禍を機にこれまで就活の定番質問であった「ガクチカ」は新たな局面を迎えています。
一部の大手企業がガクチカを廃止し、代わりに「とっておきの写真」や「プレゼン選考」などの新しい選考フローを取り入れ始めています。今後も廃止する企業が増えると見込まれています。定番質問にガクチカを入れていたのはなぜなのか、ガクチカを廃止した場合に学生の何を知りたいのか、採用担当の中でも改めて問いたい課題となっています。
コロナ禍を経験し、オンライン説明会や、Web面接が行われるなど採用活動も大きく変わり始め、就活の定番質問でもある「ガクチカ」にも変化がみられています。自粛生活の中でガクチカが本当にないという学生の声が上がり、ガクチカを廃止する企業が増えているのも当然の流れなのかもしれません。企業側も意味のない質問はしたくないはずです。どのような人材を採用したいのか、学生の能力をどういった方法で見極めればよいのか、改めて選考基準などについて見直してみると良いかもしれません。
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