近年のAI技術の発展に伴い、「AI人材」という言葉を耳にする機会が増えました。「AI人材」とは、AIに関する知見が深い人材のことです。AI人材は金融業や製造業、介護業など幅広い分野に需要があるため、人材不足の深刻化が進んでいます。今回はAI人材の採用方法とその育成について、人事が知っておきたい重要点をまとめたいと思います。

AI人材とは 定義

「AI人材」とは、AIに関する知識とスキルを備えた人材のことです。経済産業省の掲げる定義で言えば、「AIを使いこなして第4次産業革命に対応した新しいビジネスの担い手となる高度IT人材」とあります。AI技術は私たちの日常生活にも浸透しており、例えば、自動車の自動運転、公共施設等に設置されている非接触検温、スマートフォンの顔認証といった技術にも幅広く使用され、今とても将来性がある分野と言えます。

人材不足が問題視される中、AI人材の確保の重要性について、内閣府が発表した「AI戦略2022」では以下のような記載があります。

戦略⽬標1:⼈材
⼈⼝⽐において最もAI時代に対応した⼈材を育成・吸引する国となり、持続的に実現する仕組みを構築

⽇本では、⼈材の不⾜、技術情報の共有やデータ取扱い上の制約など、環境⾯の制約が⾒受けられる。⼈材確保の取組の更なる充実のほか、若⼿⼈材の活躍⽀援や国研等が保有する技術情報の積極的な提供等の環境整備が期待される。

参照)AI戦略2022の概要 – 内閣府
https://www8.cao.go.jp/cstp/ai/aistrategy2022_gaiyo.pdf

内閣府からも打ち出されているとおり、AI人材の確保について取組強化を図るよう働きかけています。AI人材はデジタル時代に対応した人材として今後さらに重要性が増していくと予想されます。

AI人材が不足?経済産業省の発表

経済産業省が発表した「AI人材育成の取組」によると、IT人材の不足は、現状の約17万人から2030年には約79万人に拡大すると予測され、今後ますます深刻化すると言われています。これは、AI関連の人材需要の加速に供給が追いついていない状況ということです。

また、同じく経済産業省が発表した「我が国におけるIT人材の動向」の中では、IT人材が従事する企業の偏在状況について言及しており、日本は欧米等と比較して、IT人材がIT関連企業に従事する割合が高く、ユーザー企業に従事する割合が低いという結果が出ています。東京のIT関連産業企業への集中も顕著な状況となっており、地域のデジタル化を推進するIT人材の不足が課題であると提言しています。

参照)AI人材育成の取組 – 経済産業省
https://www.meti.go.jp/shingikai/economy/jinzai_ikusei/pdf/001_03_00.pdf
参照)我が国におけるIT人材の動向 – 経済産業省
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_jinzai/pdf/001_s01_00.pdf

業界全体でのIT人材の不足、ユーザー企業でのIT人材の不足、IT人材の東京一極集中による地域偏在など、日本企業は様々な理由から人材不足の問題を抱えています。

AI人材の採用の課題

AI人材の需要加速により、人事担当がAI人材の採用に向き合う可能性は高いです。今後に向けて、知っておきたい課題や重要点を見ていきましょう。

先に取り上げた経済産業省の「我が国におけるIT人材の動向」によると、米国等の海外の流れを受けて、優秀なデジタル人材の新卒・中途採用を行う際に、通常よりも高い報酬水準を設定する例がみられるようになってきているとあります。特に高いデジタル技術を持つ新卒人材に対して1,000万円以上を提示する可能性がある企業事例は、一律初任給・年功序列などの日本の伝統的な給与体系を刷新する事例として、注目を集めているそうです。

・大手企業の採用事例
NEC:AI等の分野で大学時代の論文が高い評価を得た新卒者を対象に、年収1,000万円以上を提示。
DeNA:AIシステム部独自の人事制度として、年収600万~1,000万円を可能に。新卒も中途も区別せず適用。

「先端IT非従事者」と「先端IT従事者」での給与分布の比較もしており、先端IT非従事者の最も多い年収区分は「500~600万円」に対し、先端IT従事者の最も多い年収区分は「1,000~1,500万円」という結果が出ています。

DX(デジタルトランスフォーメーション)を進めているユーザー企業においても、IT人材の給与水準は、まだ全社的な給与水準とほぼ変わらない傾向が見られるとあります。経験豊富なAI人材は高いスキルと将来性を持っています。AI人材の採用活動を始めるにあたり、先ずは従来の給与水準とは異なる給与水準の検討を行いましょう。

また、AI人材には採用後のスキルアップ環境にも配慮が必要です。先端IT非従事者に比べて先端IT従事者は約3倍の勉強時間と費用をかけている調査結果もあり、スキルアップに対する意識や取り組みに大きな差があることが分かります。

他にも、先端IT従事者は、業務上必要な内容があれば業務外(職場以外)でも勉強する人材が半数以上というデータもあり、先端IT従事者は常にスキルアップできる環境を求めている人材が多いということが伺えます。

スキルアップができる環境としては、例えば、connpassやTECH PLAYといった勉強会支援を目的としたコミュニティ活動や、Kaggleを活用した社外コンペティションへの参加などがあります。これらを自社の採用・教育プログラムに上手く取り入れていくことが有効な手段です。人事担当として情報にアンテナを立てながら、状況に応じた戦略的な採用が求められています。

参照)我が国におけるIT人材の動向 – 経済産業省
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_jinzai/pdf/001_s01_00.pdf

AI人材の採用をしたい

AI人材の給与水準は高く、採用後もスキルアップが見込める環境を求めている人が多いです。デジタル時代において欠かせない人材であるだけに、AI人材の不足は人事担当として立ち向かわなければならない課題です。現状の採用方法の見直しから一つずつ行なっていきましょう。

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